不動産価格の上昇
この数年で、肌で感じるレベルまで明確になってきた変化。
かつては表面利回り9%超の物件がゴロゴロしていたのに、今では6%台でも買い手が付く時代。
特に都心周辺や人気沿線の物件は価格が上がる一方で、利回りとのバランスが崩れつつある。
不動産ポータルを眺めていても、「この家賃でこの価格?本当に採算合うのか?」と感じることが増えた。
明らかに売り手市場。買い手の立場が弱くなっている。
そんな環境下で、僕は「現金を貯める」戦略を選んでいる。
理由はシンプル。いま融資を使ってまで買いたい物件がないから。
投資家としての冷静な判断。勢いで突っ込むことはしない。
現金を貯める理由
いまは物件価格が高止まりしていて、キャッシュフローが出にくい構造。
つまり、利回りが出にくいから、融資のレバレッジ効果も限定的になる。
融資を受けるということは、利息も払うし、元本も返済する。
当然ながら、物件が高くなればローン残債も大きくなる。
これで収益性が低いとなれば、投資効率は著しく下がる。
「買えば資産になる」という時代はすでに終わった。
数字でシビアに判断しないといけないフェーズに入っている。
だからこそ、僕は焦って動かない。
いまやるべきは、動くための体力を蓄えること。
つまり、現金を貯めること。
融資に頼らない投資スタンス
これまでの3棟は融資をうまく活用して取得してきた。
もちろん、レバレッジ戦略自体を否定するつもりはない。
でも、それに「頼りきり」になると、いずれ壁にぶち当たる。
銀行のスタンスが変われば、いくら属性が良くても融資が止まる。
金利が上がれば、キャッシュフローも細る。
そうなると、資産規模の拡大は思うように進まない。
僕が今目指しているのは、属性に依存しない投資家になること。
つまり、「この人なら貸したい」と思わせる地力を持つこと。
そのための第一歩が、現金の蓄積。
属性や肩書きではなく、「実績」と「現金力」で勝負するスタイル。
現金を持つ投資家は強い
現金がある投資家は、交渉の主導権を握れる。
即決もできるし、指値も入れられる。
物件を売り急いでいる売主からすれば、現金買いできる買主は非常にありがたい存在。
また、銀行や管理会社にもプレッシャーをかけずに済む。
「今すぐじゃないけど、現金貯めて次の物件狙ってます」
そう伝えておくだけで、情報の入り方が変わる。
「次の買い手候補」として、選別された情報が舞い込んでくるようになる。
僕はJ-REITを中心に運用している
ただし、現金といっても「銀行口座に寝かせている」わけじゃない。
それは機会損失。何も生まない資金。
僕は証券口座でJ-REITを中心に運用している。
現金性を保ちつつ、利回りを確保できる手段。
定期的な分配金を受け取りながら、機会を待つ。
必要があればすぐに売却して現金化もできる、柔軟なポジション。
もちろん、J-REITも相場の影響は受ける。
でも、現物不動産と違って少額から投資できるし、流動性がある。
僕にとっては「戦略的な待機資金の置き場」としてちょうどいい。
周りには買い進めている投資家もいる
誤解のないように言っておきたいのは、「今買うのは間違っている」と言いたいわけではないということ。
実際、いまの相場でも積極的に物件を買い進めている不動産投資家は多い。
- 自己資金をしっかり確保している人
- 情報のスピードが早く、好条件の物件を見極められる人
- 再生や出口戦略までを明確に描けている人
こういう人たちは、ちゃんと「買える理由」がある。
だから買っているだけの話。
一方で、自分にはまだそこまでの力がないと判断している。
それなら、無理に走らずに地力をつけるほうが先。
焦らず、次を狙う
いまは「買わない」ことが最大の防御。
焦って買って、キャッシュフローが回らなくなるのが一番怖い。
それなら、「まだ買わない」という判断も立派な投資行動。
買いたいときに買える準備をしておくこと。
それが、僕にとっての「現金を貯める」意味。
次の1棟は、現金をある程度積んだ上で、納得のいく物件を狙っていく。
そのために、いまはJ-REITで回しながら、静かにその時を待つ。
どこかで、必ずチャンスは来る。
その時に、「資金がある」「決断できる」「実績がある」という3点セットを持っておきたい。
おわりに
現金力は信用。
属性じゃなく、キャッシュを持っていることが最大の交渉材料になる時代。
僕はそう信じて、今はじっくり準備している。
4棟目を、納得して買うために。
コメント